↑の画像桃色無印・きゅ。様作 転載禁止
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打ち上げパーティー①
二本のランウェイがパッと照明に照らされ、司会者から合図が送られてくる。
「それでは最後まで争いあった二人に登場していただきましょう!」
初めにスポットライトが当たった所から留美が手を振りながらフリフリの淡い緑のドレスを揺らしながら登場してきた。
薄く開いた扉から会場の熱気が伝わってくる。自分の格好の恥ずかしさと緊張にナツがなかなか入っていかない。そして留美は舞台に立つと、もう一方の入口を指差し叫んだ。
『ナツ! あなたには負けないわよ!』
その台詞を合図に扉が開き、ナツが私に憑くのがわかる。
さあ、楽しみに行くわよ。
カツン コツン
ヒールを響かせてモデルウォークで舞台を目指して歩いていく。それまで聞こえていた話し声がほとんど聞こえなくなったのが気になったけど、歩きながら所々で見知った顔に軽く会釈と笑みを交わした。
舞台近くまで行くと先日パートナーの件で揉め事を起こした3人の顔も見えたが、そこに笑みは落とさなかった。
『ちとせ、だってあなたは何より強い物を持っているじゃない』
そう言って軽く留美とハグをしてからナツ組3人の所へ行ってみると、ツグミが興奮した顔をしていた。カオリに小声で尋ねてみるとなるほどな答えが返ってきた。
(どうしたの、ツグミ?)
(凄いドレス、さすが我らがナツね。ツグミはあの3人に過剰反応してるのよ)
(そっか。ちょっと遊ぼうかな。楽しそうだし?)
(ナツ!?)
(やめといた方がいいと思いますよ。舞台上から見ててずっと火花散りっぱなしでしたから)
でもナツ魂を憑けてしまった私にはその暴走を抑えることができない。男の目にこのドレスがどう写っているのかしら? とワクワクしてしまう。
「それではご歓談下さい。出演者には個々にインタビューに伺います」
ステージを降りた私の足は既に3人のいる方向へと向かっていた。このドレスを選んだときの事を思い出しながら。
*****
「いつもすいません、ご迷惑おかけして」
「何言ってんの! キョーコちゃんが必死に頼んで来るんだもの。そこは私が何とかしてあげなきゃ!って思うじゃない!!」
自分でも衣装について考えたが、ナツの最後を飾るにふさわしい衣装は思いつかず、ミューズに連絡を取ったのだ。
「カリスマ女子高生役だから大人ぶっちゃってもOKって事よね。じゃあ私が見立てた物を素直に着てくれるわね。あの時みたいに尻込みしないわよね、勿論?」
「勿論です! あれで結構なんでもありになりましたから」
雪花の衣装はこれでもかっ、というくらい布面積が少なかったから、少々切り込みの多いドレスでも何ともなくなってしまった。慣れって怖いわ……と思いつつ連れて行かれたブティックで安請け合いした事を盛大に反省する羽目に陥った。
「キョーコちゃんのドレスだけど……うん、これがいいわっ!」
「えええっ、いや……あの、それはっっ」
「文句言わず着てくれるのよね?」
「ぐっ」
たっ、確かに言いましたよ!
ドレスもすっごく素敵ですよ?
綺麗な紅の薔薇のコサージュが肩を飾ってるところなんて、とても美しいと思いますよ。私も着てみたいなぁ……なんて、ちょっと思っちゃったりなんかしちゃったりしましたよ?
前ざっくり、背中も大胆に開いて、脚もかなり上までスリットが入っていなければっ!
ミューズ! こういうのはもっと豊満な方用なのではっ!貧相な胸をどうしたらいいんですかぁぁぁぁっ!!!
「あら、それなら大丈夫よ、ちゃんとブラあるし。ヌーブラと併用でね。まさかダメとか言わないわよね?」
「ででででもっ」
「大丈夫、ドレスは相応しい人に着て見られて初めてその美しさが発揮されるの。私の美的センスを疑うの?」
女神で魔女のミューズの手で全て完璧にカリスマナッちゃんへの準備がされすぎて、頭がくらくらとしてしまい否定の言葉も出なかった。
当日が怖すぎるからぁぁぁっっ!
*****
3人の元へ行く途中、肩を叩かれ振り返ると貴島さんがいた。3人を見ればそれぞれ女優やら監督やらスタッフに囲まれているので、ここで少し遊んじゃおう。
「京子ちゃん、今回もまた別の大人美人さんになったねぇ」
「ありがとうございます。前回は貴島さんに遊ばれちゃいましたからね」
「いやぁ、あそこまで大人美人になるとは本当にびっくりだったけど、今回の京子ちゃんも俺のどストライクだ」
またこの人はいつも調子がいい。ちょっとナツ流に遊んであげようか。3人に背中を向けて貴島さんに軽く微笑んだ。
「あら、そうなんですか? そういう貴島さんも今日は素敵ですね」
「ありがとう、また君のパートナーに立候補してもいいかな?」
「そうですね、ちょっと耳貸して貰っていいですか」
「ん、何?」
ちょっと屈んで私の腰に手を回す一連のしぐさは、あるアクションを思わせる。
「今日も厳しい事務所のお目付け役がいるんです」
「ああ、なるほどね」
ああ、怨キョが踊り狂ってる。近づいてきてるんだわ。凄い勢いで近づいてきた足音が三つ、近くで止まった。
「貴島君、うちの可愛い後輩に何をしてるのかな?」
「てめぇ、キョーコに何してんだよ!」
「返答によっちゃぁ拳で語り合ってもいいんだけど?」
貴島さんのひきつった顔を見て思わず笑みがこぼれてしまった。
さあ、パーティーは始まったばかり!楽しいのはこれからよ。
6話へ続く
超素敵ぃ❤と思いませんこと?
なんてスンバらしいのでございましょうかぁ
と大絶賛のピーチです。
この次のも楽しみですわぁ
二本のランウェイがパッと照明に照らされ、司会者から合図が送られてくる。
「それでは最後まで争いあった二人に登場していただきましょう!」
初めにスポットライトが当たった所から留美が手を振りながらフリフリの淡い緑のドレスを揺らしながら登場してきた。
薄く開いた扉から会場の熱気が伝わってくる。自分の格好の恥ずかしさと緊張にナツがなかなか入っていかない。そして留美は舞台に立つと、もう一方の入口を指差し叫んだ。
『ナツ! あなたには負けないわよ!』
その台詞を合図に扉が開き、ナツが私に憑くのがわかる。
さあ、楽しみに行くわよ。
カツン コツン
ヒールを響かせてモデルウォークで舞台を目指して歩いていく。それまで聞こえていた話し声がほとんど聞こえなくなったのが気になったけど、歩きながら所々で見知った顔に軽く会釈と笑みを交わした。
舞台近くまで行くと先日パートナーの件で揉め事を起こした3人の顔も見えたが、そこに笑みは落とさなかった。
『ちとせ、だってあなたは何より強い物を持っているじゃない』
そう言って軽く留美とハグをしてからナツ組3人の所へ行ってみると、ツグミが興奮した顔をしていた。カオリに小声で尋ねてみるとなるほどな答えが返ってきた。
(どうしたの、ツグミ?)
(凄いドレス、さすが我らがナツね。ツグミはあの3人に過剰反応してるのよ)
(そっか。ちょっと遊ぼうかな。楽しそうだし?)
(ナツ!?)
(やめといた方がいいと思いますよ。舞台上から見ててずっと火花散りっぱなしでしたから)
でもナツ魂を憑けてしまった私にはその暴走を抑えることができない。男の目にこのドレスがどう写っているのかしら? とワクワクしてしまう。
「それではご歓談下さい。出演者には個々にインタビューに伺います」
ステージを降りた私の足は既に3人のいる方向へと向かっていた。このドレスを選んだときの事を思い出しながら。
*****
「いつもすいません、ご迷惑おかけして」
「何言ってんの! キョーコちゃんが必死に頼んで来るんだもの。そこは私が何とかしてあげなきゃ!って思うじゃない!!」
自分でも衣装について考えたが、ナツの最後を飾るにふさわしい衣装は思いつかず、ミューズに連絡を取ったのだ。
「カリスマ女子高生役だから大人ぶっちゃってもOKって事よね。じゃあ私が見立てた物を素直に着てくれるわね。あの時みたいに尻込みしないわよね、勿論?」
「勿論です! あれで結構なんでもありになりましたから」
雪花の衣装はこれでもかっ、というくらい布面積が少なかったから、少々切り込みの多いドレスでも何ともなくなってしまった。慣れって怖いわ……と思いつつ連れて行かれたブティックで安請け合いした事を盛大に反省する羽目に陥った。
「キョーコちゃんのドレスだけど……うん、これがいいわっ!」
「えええっ、いや……あの、それはっっ」
「文句言わず着てくれるのよね?」
「ぐっ」
たっ、確かに言いましたよ!
ドレスもすっごく素敵ですよ?
綺麗な紅の薔薇のコサージュが肩を飾ってるところなんて、とても美しいと思いますよ。私も着てみたいなぁ……なんて、ちょっと思っちゃったりなんかしちゃったりしましたよ?
前ざっくり、背中も大胆に開いて、脚もかなり上までスリットが入っていなければっ!
ミューズ! こういうのはもっと豊満な方用なのではっ!貧相な胸をどうしたらいいんですかぁぁぁぁっ!!!
「あら、それなら大丈夫よ、ちゃんとブラあるし。ヌーブラと併用でね。まさかダメとか言わないわよね?」
「ででででもっ」
「大丈夫、ドレスは相応しい人に着て見られて初めてその美しさが発揮されるの。私の美的センスを疑うの?」
女神で魔女のミューズの手で全て完璧にカリスマナッちゃんへの準備がされすぎて、頭がくらくらとしてしまい否定の言葉も出なかった。
当日が怖すぎるからぁぁぁっっ!
*****
3人の元へ行く途中、肩を叩かれ振り返ると貴島さんがいた。3人を見ればそれぞれ女優やら監督やらスタッフに囲まれているので、ここで少し遊んじゃおう。
「京子ちゃん、今回もまた別の大人美人さんになったねぇ」
「ありがとうございます。前回は貴島さんに遊ばれちゃいましたからね」
「いやぁ、あそこまで大人美人になるとは本当にびっくりだったけど、今回の京子ちゃんも俺のどストライクだ」
またこの人はいつも調子がいい。ちょっとナツ流に遊んであげようか。3人に背中を向けて貴島さんに軽く微笑んだ。
「あら、そうなんですか? そういう貴島さんも今日は素敵ですね」
「ありがとう、また君のパートナーに立候補してもいいかな?」
「そうですね、ちょっと耳貸して貰っていいですか」
「ん、何?」
ちょっと屈んで私の腰に手を回す一連のしぐさは、あるアクションを思わせる。
「今日も厳しい事務所のお目付け役がいるんです」
「ああ、なるほどね」
ああ、怨キョが踊り狂ってる。近づいてきてるんだわ。凄い勢いで近づいてきた足音が三つ、近くで止まった。
「貴島君、うちの可愛い後輩に何をしてるのかな?」
「てめぇ、キョーコに何してんだよ!」
「返答によっちゃぁ拳で語り合ってもいいんだけど?」
貴島さんのひきつった顔を見て思わず笑みがこぼれてしまった。
さあ、パーティーは始まったばかり!楽しいのはこれからよ。
6話へ続く
超素敵ぃ❤と思いませんこと?
なんてスンバらしいのでございましょうかぁ
と大絶賛のピーチです。
この次のも楽しみですわぁ
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