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BOX'R撮影終了・・・撮影中の違和感 キョーコサイド
キョーコは、ある種の悩みを抱えていた。
日ごとに視線を感じるのである。
撮影が、進むにしたがって得体のしれないねっとりとした視線が絡みついてきている気がする。
芸能人たるもの視線を集めるのは致し方の無い事かも知れない。
視線が、怖いと思うけれど芸能人たるもの慣れなければならない。
そう決意をして日々を過ごしていた。
育ってきた環境により、中学の時から女性の嫉妬を混ぜたような、嫌悪感を滲ませた視線は経験済みだったが、今回の様なものは初めてで。
だから、その視線が何を意味するのかがわからず不安だった。
もしかしたら。
これは・・・・・これから始まる不吉な何かの序章なのだろうか?
「気のせいよね?」
「どうしたのナツ?」
教室のセットの中で、休憩中にキョーコは小さく呟いた。
それを怪訝そうな顔でカオリは覗き込んでいた。
考えるそぶりを見せながら横に立つカオリをキョーコは横目でチラリと見上げた。
「なんでもないわ?それより、今日最後でしょう?あんたたちと何処に遊びに行こうかと思っていたところよ」
「ほんとうね・・・・最後よね?寂しくなるわ?」
勿体付けた言い方にピクリと眉を動かしたカオリは、納得がいかないという風に問いを重ねた。
「えっと、何でもないって言うけど、隠されると知りたくなるし、ナツの右腕としては気になるのよねー教えてくれない?」
「視線を感じたんだけど気のせいかも・・・・・」
「んースタッフの誰かに想われてるとか?」
「そうねー、そうだったらこの退屈な日常も楽しくなると思うけど解らないわ?」
スタッフの誰かというのなら最後の撮影なのだから、もう暫くは会うことすらないから対処のしようもあるというものの・・・・。
やはり、今現在自分が、把握している中でこんなに気分の悪い視線を浴びせかける人物は、一人しか思い当たらない。
その人物というのが、あの失礼で不遜な態度をするキョーコがよく知る人物
だから、気のせいかと告げたのである。
「今、あいついない筈だけど、あいつがなんか来そうな気がするわ、こっそり覗いてるかも?とか思ったんだけど・・・・・」
「あー・・・・あの男の事だったんだ」
気のせいの理由となる人物が、ここにいないことで納得したカオリは頷いた。
数日前、放送がのりにのっていたときに現れた幼馴染にキョーコは撮影後強引に腕を取られた。
その瞬間キョーコは、男を感じてしまいゾワリと悪寒が背中を駆け抜けた。
『こんなショータロー知らない!!』
ある時は母親あるときは妹や姉あるときは王子様で、自分にとっては家族愛のような感じで曖昧な感じだったから・・・・・。
そんな熱い手で腕を取られたことは一度も無い。
だからと言ってはなんだけど、血の気が引いていくのを実感していた。
敦賀さんのような暖かさも何もない、何だか知らない男の人みたいなショータローの眼差しや熱さがただ怖かった。
そうキョーコは、感じていた。
二人がそんな会話をしていると、休憩を終えたスタッフが撮影のセットを組み始めていた。
撮影が進むにしたがって視聴率が上がり、人気殺到するほどだった。
その学園ドラマでいじめをメインにした話は、その脚本自体がリアルで内容が濃厚であるが故に老若男女を問わず見る者が多かった。
それが視聴率に反映しているのだろう。
その中でも、重要な役回りでモデルのようなクールビューティーな容姿を持つナツは、インパクトある苛め役でありながら、洗練された所作とそのスタイルで存在をより一層際立たせ一種のブームとなりつつあった。
今後の活動でも、それは顕わになるのだが、それより前にその人気に焦って暴挙に及んだ幼馴染である不破尚は、このドラマ班限定の認識ではあるが、キョーコのストーカーに認定されたのだった。
休憩を終えた京子は、最後の撮影に挑むため、役に入ろうとしていた。
片方の肘を机につき、顎に片手を添えて最後の撮影に挑む。
そうすると、目の端に扉から入ってくる人物が見えた。
臆面もなく登場する人物は不敵な笑いを零し撮影をじっと見つめていた。
それは、スタッフによりストーカー認定された不破尚である。
***
ーーー そして最後のシーン ーーー
「悪魔!!北澤ナツあなたなんて死んでしまえばいいのよ!!」
「あらなんて素敵な言葉かしら?
もっと楽しませて私をゾクゾクさせてくれない?これからも、あんたは私の足元にも及ばないわ・・・・楽しみね」
「あんたになんか負けない!!あんたが、父親の権力を利用して汚い手を使おうとも私はあんたと戦うんだから!」
「カーット!!お疲れ様でしたぁ~~~~~~!!!」
***
監督のカットの声と同時に件の人物は、ほくそ笑みながら近づいてきた。
何処から予定を手に入れたのかが解らないが、キョーコと女子高生メンバーの出番は終わりなのである。
最後のカットは、前日に撮り終えているため仲間内のみの打ち上げパーティーをしようとキョーコは画策していた。
「キョーコ・・・・俺様が、クランクアップの祝いに花束持って来てやったんだから受け取れよ!!それと今から付き合えよ」
「キョーコって誰かしら?ここにいる私は、ナツっていうんだけど!!それにどうして無関係のあんたに付き合わなきゃいけないのかしら?」
「キョーコのくせにはぐらかしてんじゃねーよ!!俺様が、ありがたく祝ってやろーっていうんだからよ!!」
キョーコの腕を引きはがすようにカオリは、ショータローを突き飛ばした。
「離しなさいストーカー、無関係のアーティスト様が何の用?ナツは私たちと今日一緒に帰るんだから!!」
「そうよ・・・カオリの言うとおりあんたみたいな脳たりんに誰が付き合うのかしら?」
「っんだよ!!外野は、引っ込んでろよ!!キョーコのくせに俺様の誘いを断るなんざ百万年はえーんだよ!こっちへ来いよ」
ショータローは、一体何しに来たのか・・・・・・ただ自分を見下しに来たのか、理由が解らないままながらも、再び伸ばされた腕を振り払い、カオリたちに守られるようにしてその場を後にした。
この時にはもう既に、業界内で壮絶なバトルが起こっていたのだが、それをキョーコは知らずにいた。
火種は燻り続け、ある日をきっかけにますます苛烈をきわめていくことになる。
BOX’R撮影終了 蓮サイドへ続く
**
キョーコは、ある種の悩みを抱えていた。
日ごとに視線を感じるのである。
撮影が、進むにしたがって得体のしれないねっとりとした視線が絡みついてきている気がする。
芸能人たるもの視線を集めるのは致し方の無い事かも知れない。
視線が、怖いと思うけれど芸能人たるもの慣れなければならない。
そう決意をして日々を過ごしていた。
育ってきた環境により、中学の時から女性の嫉妬を混ぜたような、嫌悪感を滲ませた視線は経験済みだったが、今回の様なものは初めてで。
だから、その視線が何を意味するのかがわからず不安だった。
もしかしたら。
これは・・・・・これから始まる不吉な何かの序章なのだろうか?
「気のせいよね?」
「どうしたのナツ?」
教室のセットの中で、休憩中にキョーコは小さく呟いた。
それを怪訝そうな顔でカオリは覗き込んでいた。
考えるそぶりを見せながら横に立つカオリをキョーコは横目でチラリと見上げた。
「なんでもないわ?それより、今日最後でしょう?あんたたちと何処に遊びに行こうかと思っていたところよ」
「ほんとうね・・・・最後よね?寂しくなるわ?」
勿体付けた言い方にピクリと眉を動かしたカオリは、納得がいかないという風に問いを重ねた。
「えっと、何でもないって言うけど、隠されると知りたくなるし、ナツの右腕としては気になるのよねー教えてくれない?」
「視線を感じたんだけど気のせいかも・・・・・」
「んースタッフの誰かに想われてるとか?」
「そうねー、そうだったらこの退屈な日常も楽しくなると思うけど解らないわ?」
スタッフの誰かというのなら最後の撮影なのだから、もう暫くは会うことすらないから対処のしようもあるというものの・・・・。
やはり、今現在自分が、把握している中でこんなに気分の悪い視線を浴びせかける人物は、一人しか思い当たらない。
その人物というのが、あの失礼で不遜な態度をするキョーコがよく知る人物
だから、気のせいかと告げたのである。
「今、あいついない筈だけど、あいつがなんか来そうな気がするわ、こっそり覗いてるかも?とか思ったんだけど・・・・・」
「あー・・・・あの男の事だったんだ」
気のせいの理由となる人物が、ここにいないことで納得したカオリは頷いた。
数日前、放送がのりにのっていたときに現れた幼馴染にキョーコは撮影後強引に腕を取られた。
その瞬間キョーコは、男を感じてしまいゾワリと悪寒が背中を駆け抜けた。
『こんなショータロー知らない!!』
ある時は母親あるときは妹や姉あるときは王子様で、自分にとっては家族愛のような感じで曖昧な感じだったから・・・・・。
そんな熱い手で腕を取られたことは一度も無い。
だからと言ってはなんだけど、血の気が引いていくのを実感していた。
敦賀さんのような暖かさも何もない、何だか知らない男の人みたいなショータローの眼差しや熱さがただ怖かった。
そうキョーコは、感じていた。
二人がそんな会話をしていると、休憩を終えたスタッフが撮影のセットを組み始めていた。
撮影が進むにしたがって視聴率が上がり、人気殺到するほどだった。
その学園ドラマでいじめをメインにした話は、その脚本自体がリアルで内容が濃厚であるが故に老若男女を問わず見る者が多かった。
それが視聴率に反映しているのだろう。
その中でも、重要な役回りでモデルのようなクールビューティーな容姿を持つナツは、インパクトある苛め役でありながら、洗練された所作とそのスタイルで存在をより一層際立たせ一種のブームとなりつつあった。
今後の活動でも、それは顕わになるのだが、それより前にその人気に焦って暴挙に及んだ幼馴染である不破尚は、このドラマ班限定の認識ではあるが、キョーコのストーカーに認定されたのだった。
休憩を終えた京子は、最後の撮影に挑むため、役に入ろうとしていた。
片方の肘を机につき、顎に片手を添えて最後の撮影に挑む。
そうすると、目の端に扉から入ってくる人物が見えた。
臆面もなく登場する人物は不敵な笑いを零し撮影をじっと見つめていた。
それは、スタッフによりストーカー認定された不破尚である。
***
ーーー そして最後のシーン ーーー
「悪魔!!北澤ナツあなたなんて死んでしまえばいいのよ!!」
「あらなんて素敵な言葉かしら?
もっと楽しませて私をゾクゾクさせてくれない?これからも、あんたは私の足元にも及ばないわ・・・・楽しみね」
「あんたになんか負けない!!あんたが、父親の権力を利用して汚い手を使おうとも私はあんたと戦うんだから!」
「カーット!!お疲れ様でしたぁ~~~~~~!!!」
***
監督のカットの声と同時に件の人物は、ほくそ笑みながら近づいてきた。
何処から予定を手に入れたのかが解らないが、キョーコと女子高生メンバーの出番は終わりなのである。
最後のカットは、前日に撮り終えているため仲間内のみの打ち上げパーティーをしようとキョーコは画策していた。
「キョーコ・・・・俺様が、クランクアップの祝いに花束持って来てやったんだから受け取れよ!!それと今から付き合えよ」
「キョーコって誰かしら?ここにいる私は、ナツっていうんだけど!!それにどうして無関係のあんたに付き合わなきゃいけないのかしら?」
「キョーコのくせにはぐらかしてんじゃねーよ!!俺様が、ありがたく祝ってやろーっていうんだからよ!!」
キョーコの腕を引きはがすようにカオリは、ショータローを突き飛ばした。
「離しなさいストーカー、無関係のアーティスト様が何の用?ナツは私たちと今日一緒に帰るんだから!!」
「そうよ・・・カオリの言うとおりあんたみたいな脳たりんに誰が付き合うのかしら?」
「っんだよ!!外野は、引っ込んでろよ!!キョーコのくせに俺様の誘いを断るなんざ百万年はえーんだよ!こっちへ来いよ」
ショータローは、一体何しに来たのか・・・・・・ただ自分を見下しに来たのか、理由が解らないままながらも、再び伸ばされた腕を振り払い、カオリたちに守られるようにしてその場を後にした。
この時にはもう既に、業界内で壮絶なバトルが起こっていたのだが、それをキョーコは知らずにいた。
火種は燻り続け、ある日をきっかけにますます苛烈をきわめていくことになる。
BOX’R撮影終了 蓮サイドへ続く
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